
(2008年 日本・台湾)監督:ワン・イェミン
公式サイト:http://www.tea-fight.com/
試写会にて鑑賞する。幻のお茶を巡って、京都の老舗茶屋の父娘と台湾マフィアの青年がてんてこまいするお話。
なにせ、あれやこれやとてんこ盛りの映画だった。
基本的にはコメディなのだけれど、映像学科の学生が思いつく限りの「面白い」演出を盛り込んだような印象である。アニメーションによるオープニング、ネットのチャットを示す字幕、コマ撮りの人物、俳優は口を動かさないけれどアフレコで台詞を展開する、などなど。一緒に見た友人とも話していたのだけれど「詰め込み過ぎ」の印象は拭えない。もう少し整理できたら良かったのにね。
台湾の人気アイドルが出演してたり、スタジオ4℃がOPアニメを担当してたり、ショーン・レノンが音楽担当してたりと、スタッフまわりもなんだかコンセプトがよくわからなかった。
予算はかけてあるんだから、誰かもう少しまとめようよーと思ったら、この監督のデビュー作品だったらしい。
さらに調べてみたら、そもそもこの映画は角川による新人プロデューサー育成・発掘プロジェクト「日本映画エンジェル大賞」に入賞した企画だった模様。受賞者には賞金と映像制作支援だけでなく、IIFという映画ファンドから上限3億円の製作費の出資も受けられるんだとか(残念ながらもう終了してしまった)。
なるほど、だからとてもインディーズ的な仕上がりなのに製作費がかかっていたんだね。受賞した当人であるプロデューサーのオノ・コースケ氏は"オノ"姓が示すようにショーン・レノンと従兄弟だそうで、音楽担当はそういう縁もあったそうな。
とはいえ、つまらない映画だったわけではないよ。単に整理されてないだけで。
異なった時間軸や複数の同一人物を同じ画面に登場させるという演出は演劇的で面白かったし、いかにもな京都ではない京都の風景が美しかったのも良かった(見慣れないなと思ったら茶屋のシーンは滋賀でロケしたらしい)。
また、混沌とした映画の中で、香川照之の演技はすばらしかった。関西弁も完璧だったし、だめな父親役をいい具合にダメに演じていた。
台湾人の茶の先生が明らかに吹き替えで日本語しゃべっててヘンだったとか、いろいろと突っ込みドコロはあるのだけれど、映画界だっていろんな映画があってしかるべきなので、こういうのもアリなのではないでしょうか。7/12より全国公開。
余談:
全編が京都弁と北京語だったので、試写終了後は脳内がすっかり関西弁モードになってしまい、30分ぐらいは標準語に戻せなかったのが我ながら笑えた(標準語に囲まれて関西弁を話すことはできるけれど、関西弁に囲まれて標準語を話すことはできない私。みんな関西弁やったら私も関西弁になってまうやんか)。