絶版になっていたので、Amazonのマーケットプレイスで購入。知る人ぞ知る変態ゲーム「クーロンズ・ゲート」を作った木村央志氏の本である。
「クーロンズ・ゲート」は私が今まで遊んだゲームの中で一番好きなゲームである。なにがいいって、変態性と様式美を哲学的な観念で味付けしてる世界観が最高で、そりゃ一般ウケするわけがない。そんなゲームを作った人が書いた本なので、ファミ通などで読む「クリエイターインタビュー」とは違った内容になって当然であろう。
ゲームとはなにかという概念を製作行程として解体しながら解説してあり、映画とも小説とも違ったゲームというメディアそのものについて考えさせられる。
まだ一度通読しただけなのだが、私の場合は、何度か繰り返して読むことで味わいが増しそうな本になりそうだ。初読では、おぼろげに「"与える"と"奪う"」や「描写されていないのに存在するイメージ」などに翻弄されてしまい、まだ全体をガバッと掴むまでには至っていない。
難しい内容ではないけれど、とらえようとすると指先に絡まってしまい、捕まえたのか絡めとられたのかがわからなくなってくる(こういう比喩を使いたくなるあたり、既に蝕まれていることは明らかだ)。何度か、頭の中を整理しながら読もうと思う。もっと賢く、頭がよくなりたいよう。
今のところは「廃墟好きはマニエリズムに通じる」とか「白は無を表す恐ろしい色である」とか、そういう枝葉末節のキーワードのようなものを捕まえるのがやっとである。
枝葉末節で言えば、随所に挿入されている参考になる映画や本やゲームを眺めるのも面白い。どれも面白そうなもので、以前から感じていた著者の引き出しの多様さをうかがわせる(その三分の一ぐらいは、私が既知のものであるあたりもツボが重なっていて良い)。
ここ最近、業務としてゲームに携わることが増えた私にとっては、ひとつのガイドになりそうな本だ。そういう意味では「高木工務店」に通じるものがあるね。
●著者による書籍紹介ページ
http://www.zeque.co.jp/nttbook/
●Wikipediaの「クーロンズ・ゲート」のページ
http://ja.wikipedia.org/wiki/クーロンズゲート
●メーカーによる「クーロンズ・ゲート」紹介サイト
http://www.sonymusic.co.jp/Amusement/kowloonet/
※私が「クーロンズ・ゲート」について熱く語っているエントリ
http://visualclip.net/inagaki-log/2005/05/post_37.html
