バイオリンのレッスンの日。今日は弓を使ったチューニングについて教わった。
私が普段やっているチューニング方法は、4本ある弦を解放弦の状態で1本ずつピアノの音に合わせて調弦するというものだ。
はっきりと申し上げるに、この方法は時間がかかる上にスマートでない。すなわち、ダサい。ダサさ故に、自宅以外ではやりたくない。
弓を使った調弦の原理はシンプルだ。まず“A(ラ)”の音だけをピアノか音叉で鳴らし、A線を合わせる(当然解放弦で)。その後、「A線+D線」、「D線+G線」、「A線+E線」の重音を弾きながら、完全5度の和音になるようにペグを調整するのだ。
手順はシンプルだが、実際にやるとなると難しい。完全5度になったように思って、答え合わせにピアノを鳴らすと微妙に狂っている。とはいえ、先生が言うように「チューニングは時間との勝負」なので、さっさと合わせないと既に合わせた筈の弦が他のペグの張力に影響されて狂ってくる。最悪の場合、最後のE線を調弦する頃には、最初に合わせた筈のA線の音程がずれまくっているという事態になる。
バイオリンは自分で音程を作る楽器なので、耳を鍛えねばならない。そのためにも、チューニングは基本中の基本と言えよう。だって、解放弦の音程が狂ってるのに、いくら指で音程を作ってもダメだものね。
そんなわけで、チューニングを覚えずして何が楽器かと自分を鼓舞して、調弦の練習に励む。
コンサート会場などで、ピアニストに“A”を一度ポーンと鳴らしてもらい、弓で2本ずつの重音でささっと調弦する姿がかっこいい(全弦をチューニングした後に、楽器を構えたまま左手で個々の弦をピンピンと軽くはじいて確認するのもかっこいい)。個人的には、憧れのビブラートと同じぐらいかっこいいと感じる。
なによりも、毎回調弦を先生に頼むのが申し訳なく感じるのだ。
来週、楽器をメンテナンスに出す予定なので、それから帰ってきた頃には電子チューナーを買おう(けして、電子チューナーを使って調弦するのではなく、あくまで答え合わせ用である)。
当たり前だけれど、楽器は奥が深い。そして、その終わりの無い深い森を探索していくことが楽しい。