そんなこんなで三十路からのライブハウス遊びは続くのだった。「いい年齢のくせに」というKの冷ややかな視線もなんのその。
先日の吉祥寺warpに続いて、八王子のMATCHVOXというライブハウスに行ってみた。八王子に来るのも初めてなら、当然このハコも初めて。お目当ての木内バンドはここでよく演ってるらしく、“ホームな雰囲気”になるのではと期待が高まる。
時間ぎりぎりまで、スタバでチャイなど飲んで暇つぶし。だって、一人で若い子に囲まれてると、どうやって時間つぶしていいかわからないんですもの。
開演時間も近付いたので、意を決して中に入る。お、明らかに年上の観客もいるぜ。木内バンドは今日のオープニングなので、この時間から中にいる観客は、木内バンド目当ての人が多いと思われる。少し安心する私。
今日の演奏曲も5曲だが、音源を持ってない曲をやってくれたのが良かった。「タイムマシン」という新曲で、歌詞を聞いてると思わず泣けてしまいそうになる。
「やりなおせるならいつからがいい?
取り戻せるならなにがいい?」
木内バンドを見るときはどうしても自分の年齢を過剰に意識してしまうせいか、10年前、15年前を思い出して切なくなる。今の自分に大きな後悔はないけれど、違う道、違う可能性があったのかもしれないと、戻れない過去の自分が懐かしい。
かれらの曲は再スタートを歌ってる印象が強く、ライブ後に前向きになれるのはそのせいかもしれない。
総合的には、前回感じたセクシーさよりもパワフルな印象が強かった。日によって同じバンドでも印象が変わるんだねえ。
前回はボーカルの木内くんを目で追うので精一杯だったが、今日は他のメンバーにも目を向ける余裕ができた。次はもっと楽しめそうで、来月のライブも今から楽しみだ。
木内バンドの出番終了後、時間があったので対バンすべてを聞いてみた。今日はMATCHVOXの3周年記念イベントの一環なので、ハイレベルなバンドばかりが出演しているようだ。以下、簡単な感想など。
2番め:NUBO。
男の子5人のツインボーカルのバンドで、ダンスっぽい曲の雰囲気が好みだった。最後の曲がサンバで、直前のMCからドラムが「ダッ、ダー!ダッ、ダー!」とリズムを打ってるのが記憶に残る。少しだけサンバホイッスルも使ってたし。
3番め:ミルクティース。
こういうのを3ピースバンドというのかな? ギターとベースとドラムの3人だけ。3人は揃いのオレンジ色の細身のスーツで、'60sな雰囲気たっぷり。「オブラディ・オブラダ」をマイナーコードでサンプリングした曲が印象的だった。3人しかいないせいか打ち込みを多用してたんだけど、直前に大編成のバンドを見たせいもあってなんとなく物足りない印象になったのが残念。ベースのぽっちゃりした小柄な女の子がかわいかった。
トリ:ザ・キャプテンズ。
“最後のグループサウンズ”を自称する仙台のバンドで、全国ツアーを始めたところらしい。オーダーと思われる軍服調の衣裳も凛々しく、長身細身のボーカルは七三分けで王子様キャラ全開で観客を圧倒する。バラは投げるわ、投げキッスもするわ、フロアで失神(の演出)もするわ、徹底したキャラクター作りや演出がとても楽しかった。
開演前、急激にライブハウス内の人口密度が上がり、そのほとんどがオフィシャルグッズのタオルを手にした女の子たちだった。ほとんどの曲に“振り付け”があり、彼女らは間違えずにぴたりと合わせて踊る。仙台のバンドなのにこの状況ということは、もしや彼女らはツアーを追いかけているのかしら?
全バンドが終ったのが22時頃。たっぷり4時間近く楽しんで、最近気になってたモロモロがどうでもよくなり、すっきり晴れ晴れした気分で帰路につく。
まー、あれよ。気がかりだと思ってる「あれやこれや」の中で本当に重要なことは数少ないし、楽しいことはいっぱいあるんだし、自分の基準軸を持っておけばゴミにふりまわされることもないのだな。そういうことなのよ。