本日は朝8時に起床。
朝食後、近所のニューススタンドにお使いに行く。買うのは午後から使うトラベルカード、それとおみやげ用の日曜版の新聞。
英国人にとって日曜の新聞は重要で、昼前から午後にかけて、ゆったりと紅茶を飲みながら熟読する。新聞社もそれを見越してか、日曜には異様に分厚い日曜版を発行する。日本の正月の新聞を想像してもらうとわかりやすい。あんな感じに文化欄やスポーツ欄がまるごと別紙になっている。近年はそれに輪をかけて映画がまるまる一本入ってるDVDだの、記事と連動したCD-ROMだの、最新曲が入った音楽CDだの、なんだかマルチメディアな付録がついている。
で、そんな読み応えたっぷりの新聞は、在日英国人のSteve校長にとって喜ばしいおみやげとなるという具合だ。いつもお世話になっている英語学校のスタッフで回し読みするだろうしね。
日中は引き続き、blog制作作業。かなり母も慣れてきた模様でなにより。夕方から出かけねばならないので、今日はあまり作業できず。
夕方、作業を一旦終了させて外出の準備。ちょっとだけおめかし。
電車を乗り換えつつ、High Street Kensingtonへ。このあたりはいわゆる裕福なエリアで、高級店が連なるハイ・ストリート以外にもたくさんの見所がある。ビクトリア&アルバート美術館、自然史博物館などの文化施設、さらにはケンジントン宮殿を擁する王立ケンジントン公園もある(この宮殿はかつてダイアナ妃の居城だったことで有名)。
ひとまずお腹も空いてきたので適当なイタリアン・レストランに入った。店内は壁一面に植物の模様が描かれ、極彩色のオウムが放し飼いになっていた。とはいえトロピカルな雰囲気でもなく、むしろパリを思わせるシックな印象で居心地がよかった。
肝心の料理は2コースのディナーセットにした。野菜とモツァレラのスープ、トマトとハーブの平打ちパスタ。白ワインも飲んでみたり。いずれも美味也。
雰囲気も味もよく、その割には手頃な値段で満足した母と私。
さて、食事のためにケンジントンまで来たわけではなく、目指すはロイヤル・アルバート・ホール。お目当ての演目は「アレグリア」。日本でも人気のシルク・ド・ソレイユだ。
ロイヤル・アルバート・ホールといえば130年の歴史を誇り、収容人員7000人の巨大な由緒ある劇場。映画「ブラス!」で主人公たちが目指したのもこのホールだ。少しニュアンスは異なるが、日本で言えば武道館に近いかもしれない。
かたやシルク・ド・ソレイユは説明無用のカナダのサーカス団。日本公演ではTV局がタイアップして大々的に宣伝しているので、名前を知らない人は少ないだろう。いわゆる“サーカス”とはことなり、曲芸をアート・パフォーマンスとして総合芸術として上演している集団だ。ちなみに「アレグリア」はその演目名。日々の作業に憩いを、というわけで母がチケットを手配してくれて、観劇(鑑賞?)のはこびとなった。
「アレグリア」だけでなく、シルク・ド・ソレイユも初めて見る私。どんなものかとわくわくする。巨大なロイヤル・アルバート・ホール、5階の立ち見席まで観客がびっしり埋まっている。我々の席は4階席だというので心配していたが、思っていたよりも見やすくていい席だった。日本の劇場では三階席ぐらいまでしか経験がないので、舞台までの垂直距離にしばし戦く。
肝心の舞台だが、さすがは天下のシルク・ド・ソレイユ。太陽のサーカス。なにかにつけて衣装や演出(特に照明)が美しくて粋だ。
たとえば羽を背負って現れる全身レオタードの妖精ひとつとっても、けして文字から想像されるステレオタイプなそれではない。両肩から腕の先まで伸びた羽の形は優雅で軽やかにふくらんでいたり、黒と銀を基調としてスパンコールがちりばめられたレオタードは幻想的な流線模様であったり、「○○のような」とは形容しにくい個性的で芸術性の高いものだ。
そんな魅力的な衣装を身にまとい、オリンピック選手並みのアクロバットが優雅に繰り広げられる。まるで体重など感じさせない典雅な跳躍と着地、指先まで行き届いた繊細な演技、男性の躍動する筋肉と技、そして、それらの中に漂う哀愁。歌手、曲芸師、役者、音楽家、道化など、それぞれに特化した役柄を高レベルなパフォーマンスでこなす出演者たち。
だらだら書いていてもキリがないのだが、確かにこれはすばらしいものだと思った。死ぬまでに一度ぐらいは見ておいて損はないでしょう。ただし、日本でもロンドンでもチケットは高額なのが躊躇の一因だ。
そうそう、シルク・ド・ソレイユも言語に依存しないパフォーマンスで、そのせいか観客はイギリス人以外の旅行者が多かった。やはり、無言語もしくは英語だなといろいろ感慨深く思う。
すてきなものを見たので晴れ晴れと帰宅。さっさと就寝。



