前々から欲しくてようやく入手できた一冊。
1950〜60年代の社会主義国家時代のチェコスロバキア共和国のマッチラベルを集めた本。
こういう本を出すのはもちろんPIE BOOKS。大好きな出版社だ。
当時のチェコではプロパガンダの一環としてマッチのラベルが使われており、社会主義国らしいスローガンやら国の宣伝やらが、さながら記念切手のように色とりどりにデザインされている。
チェコは古くから人形の国でもあり、現在でも「チェコアニメ」というジャンルが確立されているぐらいに愛らしいキャラクターを作らせると絶品なのだが、そこにロシア構成主義に代表される幾何学的な抽象性も加わり、とても美しいデザインができあがっている(“samolost”のJakub氏もチェコ出身だ)。
当時はプロセスカラーによるフルカラー印刷が高価だったのか、ほとんどのラベルが3〜5色の特色刷りで、網点も無いベタの色面によってデザインされている。この配色センスがよろしくて、ヨーロッパ的な原色と中間色の使い方は、今見てもまったく遜色が無い。
プロセス4色が全盛の現代では特色印刷の方がコストがかかるせいもあり、多色刷りの見本としても貴重な一冊。もちろん、資料的な価値だけではなく、単純に眺めているだけでも楽しい。
このすてきな本を、いかに次の仕事に活かしてやろうかと目論んでいる。
ピエ・ブックス (2005/07/10)
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