金子光晴の自伝、その2。
シンガポールからマレーシアを経由してマルセイユへ。
ついにパリで夫人と合流。
パリでの借金と嘘にまみれた生活、そしてブリュッセルへ。
いろいろと移動はしているが、やはりメインはパリでの生活だ。
夫人と再会しつつもうつろな夫婦関係を続けつつ、
とにかくもお金が無い辛さと、
パリの華やかな外見の底に沈殿している欲と嘘が綴られる。
しかし、それでも筆者はパリが好きなのだ。
餓死寸前であろうと、ゆすりたかりを続けることになろうと、
人種を問わず男達の視線を集める三千代夫人の存在が気がかりだろうと、
在パリの日本人たちの不憫な状況を目の当たりにしようと、
それでもしぶとくパリにいて、パリにこだわる。
後半、ブリュッセルに移動してもそれは続き、
パリとの比較、ブリュッセルからパリへの小旅行が述懐されている。
夫婦で日本に帰国する金が用意できず、
三千代夫人を残して一人でアントワープから旅立つところで本編は終っている。
私は金子光晴の生涯をまったく知らないので、
どうなることかとはらはらさせられたまま、最後のページを閉じた。
続きは自伝その3の『西ひがし』にて。
