Kがプリンタ用のインクや紙を買いに行くというので
さんざん駄々をこねたあげく、一緒に新宿に行くことにした。
ヨド○シはLA○Xと違ってポイントが10%つくので嬉しい。
(聞くところによるとどこの家電店もそれが普通らしい)
私も便乗してデジカメ用のマルチカードリーダを買った。USB2.0のやつ。
12種類だか16種類だかのフォーマットを読めるらしいが、
我が家にそういう類いのものはXDカードが一枚しか存在しないので、
まったくといっていいぐらい意味が無い。
将来デジカメを買い替えることもあるだろう、ということで自分を納得させる。
そのころはUSB4.0とかになってたりしてね。
お互いの買物が終わり、ご飯でも食べるかということで、
最近新宿に来ると定番化している東京麺通団へ。
勝谷誠彦氏おすすめの「ひやかけ+酢+一味」がお気に入り。
ちなみに私は勝ちゃんファンでもなんでもない、ただの西原理恵子読者です。
最近の食欲不信もなんのその、やっぱりうどんは食べちゃうね。
「ひやかけ」以外なら「めんたま(かまたま+明太子+バター)」が好きです。
うどんといえば、先日英語学校のクラスメート・トモコさんから聞いたはなし。
外資の会社で働く彼女は、英国から来た客人をランチ接待することになり、
迷ったあげく、丼とうどんの店に連れて行った。
結果、天丼はお気に召したがうどんはさっぱり食べてもらえなかったらしい。
在日10年以上のSteveに言わせると、今では彼もうどんを食べられるが、
初めて見たときはかなりショッキングだったらしい。
「このスープにただよう寄生虫のような物体はなんだ!?」
英国人(他の欧州人もそうだろうけど)にとって、ヌードルといえば中華かイタリアン。
うどんの太さはかなりの驚愕だったそうな。
それに絡んでさらにSteveが教えてくれたはなし。
英国人のSteveがアメリカはLAに住んでいたころ、
現地の友達と一緒に日本食レストランに行くことになった。
Steveは東洋文化を学んでいたこともあり、日本食も好きだったのでもちろん快諾した。
面子は生真面目なトニーと、日本食が初めてだというマット。
トニーは「アイ ラブ スシ」らしく、みんなで寿司の盛り合わせを頼んだ。
出て来た“にぎり”を見て、その美しさに喜ぶマット。
「トニー、これがスシか。小さくてきれいだ」
「そうだ、マット。日本人は手先が器用ってほんとだぜ」
「二人とも、食べるときはショーユを忘れるなよ」
そのとき、マットがあるものに気付いた。
「この、すみっこにある若草色のヤツはなんだい?ディップかい?」
Steveは“それ”がなにかを知っていたので、説明したかったのだが、
あいにくと彼の口の中にイクラの軍艦がほおばられた直後だった。
モグモグ……トニーが説明してくれるだろう…モグモグ……。
Steveの目配せにこたえて、トニーが“それ”を説明した。
「マット、そんなものも知らないのかい?」
「言っただろ、俺は日本食は初めてなんだぜ」
「教えてやるよ、それはアボカドディップだ。スシにつけるとうまいんだぜ」
Steveは思わずイクラの粒を吹き出しそうになった。
トニーはスプーンで“彼曰くアボカドディップ”をこってりとスシになすりつけた。
マットも笑顔でそれを真似た。
「なーんだ、アボカドならもちろん知ってるさ。俺のフェイバリットだから、たっぷりつけるぜ」
かくして、トニーとマットの二人は各々の寿司にスプーン山盛りのワサビを乗せ、口に放り込んだ。
その後は想像するに容易だ。
二人は口にするや、そのまま店の外に駆け出していき目の前の道路で食べたものを激しく吐き出した。
目には涙をいっぱいためて、顔は真っ赤になっていたそうだ。
「僕は、二人に教えてあげなかったことを今でも後悔している」
そう語るSteveの目はどう見ても後悔している様子はなく、英国人らしい皮肉な色が漂っていた。
うどんから横道に逸れすぎた。
そんなわけで、Kと私は新宿のうどんを堪能し、食後のお茶も済ませてから帰宅し、
歩き疲れてさっさと寝てしまったのだった。