ようやく読了。詩人・金子光晴の自伝その1。
結婚して上海に行くまで。
詳細な記述は自伝とは思えないほどで、筆者の記憶力とその補完力に感動する。
三輪さんもこれの半分ぐらい詳細に書いてくれたらいいのに。
金子翁は詩人で文章のプロなので上手なのは当然だけどね。
自伝なので、伏線や盛り上がりは特になく、
淡々と小さな事件や大きな事件が起きてはまた去って行く。
そんな中、さりげなく描写される筆者と三千代夫人の就寝風景が好きなのは私だけだろうか。
腿を重ねたり、肩にもたれたり。そういうニュアンスが好きだ。
私が女だからかもしれない。甘過ぎない、夫婦の関係。
妻には恋人がいて、筆者もそれを知っているというのに。
そうそう、カタカナで表記される当時の外来語も興味深い。
頻出する“アナルシスト”が“アナーキスト”だとわかったのは、
本の後半になってからである。
残り2冊、すぐに読むのがもったいないほどだ。
