美しい美輪明宏様の自伝。
初版はかなり古く1968年、てっきりもっと最近だと思っていた。
改訂を重ね出版社を変えて4回目の出版が1992年。
24年経過しても改訂版が出るというのはすごいことだ。
内容は幼き丸山臣吾坊ちゃん(まだ少年ですらない)の記憶から、33歳までの自伝。
三島由紀夫の『黒蜥蜴』初演のあたりまでである。
最近、自伝というものにいろいろ興味があり、その一環で図書館で借りた。
やはり三輪さんは歌手で役者なので、あまり文章はお上手ではない。
子供の頃の“チーヨ”と呼ばれていた頃の描写は美しくて良かったのだが、
思春期を終えて青年になっていくあたりから、退屈してしまったのは事実だ。
なにが読みにくいのかといえば、やはり説明不足のせいだと思う。
そもそも“チーヨ”というのが幼い頃の愛称だということも書いていないし、
なぜ丸山臣吾が丸山明宏になって、美輪明宏になったかも書いていない。
そして、折々の彼の恋人たちも、すべてMだのJだのとアルファベット表記なので
それぞれの人物を想像できない。
男性同士の恋愛の話で、初版が1968年ということも影響していただろうが、
やはり、そこは仮名にする工夫などが欲しかったと思った。
そんなことを偉そうに書いている私だが、
実はこれは受け売りで、先日の飲み会で自伝の書き方について聞いたからこそ得られた視点だ。
なるほど金子翁の「どくろ杯」は全員が実名もしくは仮名なので、
たくさんの人間が登場しても混乱せずに興味深く読めるあたり、詩人と役者の違いだと思った。
図書館から借りている本や、読みたくて手元にある本は数冊たまっているのだが、
自伝をいろいろ読み比べてみるのも面白そうだ。
ちなみに現在のバックオーダーは金子光晴の自伝の続き、ナルニアの続きなど。
そろそろハリーポッターも再開せねばと思っているが、どうなることやら。
三国志も北方版、吉川版、いずれも2巻ぐらいでストップしているし。
春の眠気が悪いのだと言い訳しておこう。
