時々読んでいるlisalisa9さんのblogで興味深い記事があったので、
そこから派生して、私と英語の読書について。
「英語本を読むにはわずか100語が理解できれば十分。」
↑weblog『旬のイギリス』の該当記事
私が英語学校に通い始めたのは1999年の春。
数回のレッスンが経過して、秋には己の語彙不足を痛感することになった。
具体的にはクラスメートが言った単語の意味がわからない、
リスニングのテープを聞いた後に私だけギャグの意味がわからない、
だめだ、これでは英語学校に通い始めた当初の目的を達成できない。
“目的”と、それが生じた発端についてはまた今度。
当時の私は語彙不足のてっとり早い解消法として、
必要な語彙をたくさん読んで、聞いて、脳に刺激を与えることを思いつく。
ほどなくして、インターネットラジオで英国の番組を見つけることで
耳への刺激は解決された。
次は視覚的な刺激。
目で文字を読むことが重要な漢字圏で生まれ育った者として、
読書は欠かすことができない学習法のひとつだ。
日本語だって、夢中で読書することで言葉を覚えたのだ。
よし、英語で読書すればいいんじゃないかな。
会社帰り(当時私は会社員だった)に私は
恵比寿駅の有隣堂・洋書コーナーへ行った。
最初から、面白く読めるであろう物語を読むことに決めていた。
日本語の語彙を増やした過程を、そのまま英語に応用することにしたのだ。
そこで選んだのは『Harry Potter and the Philosopher's Stone』、
いわゆる、ハリーポッターシリーズの1巻だった。。
当時、1999年の秋。すでに原書の発売から2年が経過しており、
それはイギリスとアメリカで人気沸騰していることは新聞でも話題になっていた。
有隣堂の書架に並んでいたのは、原書の1巻と2巻、
そして間もなく邦訳版が発売されるという告知ポスターだった。
そのポスターには映画化のこともちらっと表記されていたように思う。
原書の1巻には、取次店お手製と思われる帯がついていた。
おそらくワープロで元を作り、コピーして複製された簡素な帯。
「英国で大人気! 大人も夢中に!」
「英検2級程度で楽しめます。英語の勉強にもぜひ!」
「今なら特製しおりプレゼント! クリスマスプレゼントにも!」
恐らく、そんなような内容だったと思う。
英検は自慢ではないが5級しか持っていない。
しかし英検2級なら高卒レベルだったはず。多分、なんとかなるだろう。
そして、そこから私とハリーポッターの長い付き合いが始まる。
初めて読む、物語の英語。一冊の本としての英語。
物語の特性から頻出する造語、そして作者JKローリングの豊富な文章表現。
電子辞書を片手に通勤の合間や休憩時間に読んだ。
わからない単語には下線を引き、ページの余白にその意味とともに書き込む。
書くことスペルも脳内に記憶していく。
同じ単語だろうが、構わずに同じことを続けることで、反復になる。
どうしてもわからない単語は、四角で囲み、英語学校で先生に聞く。
1巻は1ページあたりに20個は単語を調べていたと思う。
各章に1個は辞書を引いてもわからない、先生に聞かねばならない単語があった。
そんな“丁寧な”読書法のおかげで
1巻を読破するのになんと2年もかけてしまうことになった。
しかし、手間をかけただけあって、
読んでいる途中で自分の語彙がじわじわ増えてくるのが実感できた。
結果として、2巻は1年で読み終えられた。
3巻の途中からは、本に書き込みをすることをやめたせいか、
語彙量の増加はゆるやかになったように思う。
なぜならば、辞書を引くよりも物語に夢中になってしまい、
わからない単語を放置して読むやり方に変えたからだ。
現在読んでいる最中の4巻にも、もちろん書き込みはしていない。
相変わらず辞書は何度も引いているが、その回数は1ページあたり数回に減っている。
読むスピードは1日に1章ぐらいは読めるぐらいになってきた。
そして、現在私が語彙に困っていないかといえば。
ハリーポッターシリーズは巻数を重ねるごとにページが倍増し、
クラスメートたちの英語力もぐんぐん上がっている。
つまり、まだまだ困っている状況なのだ。
実際、先日もそれで落ち込んでしまったぐらいだし。
でも、lisalisa9さんの記事を見て勇気が湧いた。
私はこの100語を全て理解できている。
例えれば料理素材の原料は理解できているのだと思う。
ならば、辞書を引いているのは作者が使っているスパイスに相当しよう。
未知のスパイスの原料はさすがにわからないけれど、
おぼろげとはいえ料理のおいしさはわかる、そういうことなんだ、多分。
そして、ちょうど半分読み終えた4巻を、
シリーズで初めて邦訳版を先に読了してしまい罪悪感でいっぱいの4巻を、
このまま読むのをやめて5巻に進んでしまおうかと思った4巻を、
気にせず前向きな気持ちで読み進めていこうと思ったのだった。