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英国旅行最終日:帰国

九日間の英国旅行最終日、すなわち今日は帰国する日。
以前の記憶だと夕方出発のイメージがあったのだが、
飛行機は13時離陸。
つまり2時間前の11時には空港に到着せねばならない。

Brixtonまで車で移動。
そこから地下鉄を乗り継いでHeathrow国際空港へ。
すんなりチェックイン。
壁にもたれて眠れるので機内の席はいつも窓側を希望。
預ける荷物に対してX線検査をしなかったので少し不安。
爆弾とか仕掛けてたらどうするつもりなんだか。

手続き終了後、母としばしお茶を飲む。
が、なぜか場所は空港のスターバックス。
そう、シアトル系コーヒー店の台頭で、ロンドンでは今やコーヒーブーム。
あんたら英国人だろうがと思いつつ、
ささやかな抵抗のつもりでタゾ・チャイ・ティー・ラテを注文。
日本と比べて砂糖が多めで甘い。
日本でいうところのショートサイズは無く、
Sで頼むとトール、Mで頼むとグランデが出てくる。
もちろんLに相当する見慣れないサイズもあった。名前は失念。
巨大マグでコーヒーを飲む英国人たち。とても違和感。

空港売店で英語学校の先生へのお土産用に新聞を3誌購入。
ガーディアン、インディペンデント、デイリーメイル。
英国人は飲み物片手に新聞を読むのが大好き。
ガーディアンとインディペンデントは左よりの新聞。
母はいつもガーディアンを読んでいる。
デイリーメイルはタブロイド誌。いわゆる下世話なニュースが多い。
下世話系の筆頭はデイリーサンで、日本でいうところの東スポみたいなもの。

当初、タイムズを買おうかなと母に相談していたのだが、
「先生はパンクなんでしょう? なら右寄りのタイムズはダメかも」
というわけで、急遽インディペンデントに変更。
後日、インディペンデントは先生が一番好きな新聞だったと判明。

11時45分にはゲートに行けという指示を受けていたので、
慌ただしく母と別れて出国ロビーへ向かう。

手荷物検査、何もしない税関、パスポートコントロール。
え、パスポートコントロール?

英国では出国スタンプを押さないので、
今まで帰国時にパスポートコントロールには出くわしたことがない。
欧州随一と言われるほどに厳しい入国審査に比べると、
今迄はカウンターがあっても係員がいないほどに帰りは野放しだった。
出て行く奴はさっさと出て行けといった具合だったのだ。
それが今日は仮設ゲートまで作ってチェックしている。
どうやら、観光ビザで長期滞在している人間の一時出国を警戒している模様。

通常、観光で英国に入国すると半年分のビザがその場で発行される。
出国してから再入国すると、さらにまた半年分。
近年、それを悪用して観光ビザで長期滞在する人間が増えているそうだ。
ヨーロッパの他の国(フランスとかお手軽でいい)に出国し、
1週間ほどしてから再入国する。それを繰り返す。
パスポートに押されたスタンプから、それらは容易に判断できるので、
期間をおかずに観光ビザでの英国入国頻度が高いと警戒される。
同様に格安の英語学校は学生ビザ発給が目的であるため、
入国審査官はそれらの怪しげな学校のリストを手元に持って審査しているという。

いずれにせよ、ただ滞在するだけならさほど目くじらは立てられない。
英国政府が警戒しているのは結婚と就労だ。
英国入国時、EU以外の人間にはそれら二つの可能性が無いか厳しくチェックされる。
これには英国内での失業率が影響している。
国内ですら仕事が行き渡って無いのに、外国人にやる仕事は無いというのが本音だ。
逆に、英国に外貨を落としてくれる観光客は歓迎される。

ちなみに英国の場合、
入国審査で何かトラブルがあると5年間の入国禁止、あるいは生涯入国禁止になる。
さいわいにも私は今まで引っかかったことはなく、毎回簡単に半年分のビザをもらっている。
コツは笑顔で「ハロー」と審査官に声をかけることだと思っているのだけど……。

さて、閑話休題。今は出国のお話し。
黒人の中年係員にパスポートを見せるように要求される。
もちろん笑顔で挨拶済みなので、相手も比較的にこやかだ。
入国時に押されたスタンプがわかりにくいページにあったため、
それが見つかるまでは少し険しい顔になる係員。
無事に見つかって確認できると、笑顔に逆戻り。
良い旅を、なんて言ってもらえる。まあ、そんなもんさ。

賑やかな免税店には目もくれず、待ち合いロビーのモニタでゲート番号を確認。
案内板にしたがって該当ゲートへ向かう。
あれ、おかしいなあ。なんだかアラブ系の人がいっぱいいるなあ。
それ以前にヴァージンは英国の航空会社の筈なのに、えらくゲートが遠い。
ついでにゲート付近は工事中らしく、とてもみすぼらしい感じ。
はたと気づくと、そこには「Turkish Airlines(トルコ航空)」の文字が。
なんのことはない、私がゲート番号を間違えただけだった。
トルコ〜コーカサス地方は、いずれ行きたい地域ではあるが今は東京に帰りたい。

正しいゲートに着くと、そこには帰国する日本人と出国する英国人だらけ。
赤い制服のヴァージンアトランティック航空スタッフもたくさんいる。
日本語に望郷の念をあおられながら、搭乗開始。

機内は来た時よりも混んでいた。
窓際の席に座る私の隣りに、おばさんが一人座る。
通常、空いていると通路側の席の人が移動するものだが、
離陸して一定時間が経ってもおばさんは移動しようとしない。
食事の時の雰囲気からも、飛行機に慣れていないらしいことがわかる。

空席があるのにこのまま11時間過ごすのは避けたく、
トイレのついでに席を見つけて私が移動した。
中央の4人がけの席の端へ。
反対側にはスキンヘッドでヒゲメガネの英国人男性。
タイプなのでしめしめと思う(だからといって交流する気はないが)。

映画を1本見た。ユアンが出演している「アイランド」。
ショーン・ビーンとブシェミが出ていて嬉しい。
ヨハンソンはどうでもいい。
ストーリーの後半は激しくクソだったが、暇つぶしなので気にしない。
そういえばロンドンではユアンがミュージカルに出演してたらしい。
話のタネに見ておけばよかったなと少し後悔するが、
それほどにユアンファンでもないのを思い出して、まあいいかと思う。

ロシア上空を通過する頃には乾燥の極みだった機内。
持ちこんだミネラル・ウォーターをひたすら飲む。
母にもらったナショナル・ギャラリーの日本語図録を読む(この本はとてもおすすめ)。
他の映画を見ようかと思うが、そんな気も起きず。
静電気でパチパチと音を立てる毛布をかぶって寝る。寝る。寝る。

気づけば楕円形の窓のブラインドは全開になっており、
機内アナウンスが、東京が間近であることを告げる。
窓際ではないので今回は雑多な日本の街を上空から眺めることができない。

着陸。パスポートコントロール、荷物受け取り、税関。
英国で人に会えばハロー、人にぶつかればソーリーだったので、
まだそのクセが抜けていない。
成田の入国審査官にまでハローって言いそうになるが、
日本語でおはようございます。

バスには無事に乗れた。朝のせいか、乗客は少ない。
後ろの席でアメリカ人の若者が数人はしゃいでいるが、気にせず眠る。
外国から帰るといつも、看板と電柱だらけの日本の街が愛おしい。
ただいまー。

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2005年11月24日 12:05に投稿されたエントリーのページです。

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